花粉もウイルスも引き寄せる静電気

乾燥した冬にバチっとくる刺激で体験する静電気ですが、身近な物に利用されています。指と画面の静電気で動作するスマホや電気製品のタッチパネル。コピー機はトナーを静電気で付着させます。その他、静電気を利用してホコリ・花粉を吸着する空気清浄機もあります。さらに、コロナ感染症で一般に知られるようになったN95マスクは、ポリプロピレンに帯電した静電気でウィルスを吸着しています。この静電気は摩擦によって発生することは良く知られていて、大半の物質にはプラスかマイナスに帯電しやすい傾向があり、それを並べたのが下記の帯電列表です。

プラス・マイナスの間が離れているほど、静電気を帯びやすくなります。

エアコン吹き出し口付近の壁が黒ずむのはビニールクロスと空気の電位が離れているため、静電気でホコリが付着します。粒子が小さくなるほど付着力が高まるため、下記の図のようにウイルスやPM2.5はより付着しやすいと考えられます。

1μmは、1000分の1mmと非常に小さく、花粉・ホコリ・カビは10〜100μm程度です。ウイルスはもっと小さく、0.3μm以下と言われています。静電気は思わぬところに発生するため、カビ・花粉・ウイルスを付着させたり、ガソリンスタンドの給油時には火災の原因にもなりかねません。ウィルスと同様に静電気は目に見えないですが、ウールのセーターには花粉が10万個付着するなど実験結果も発表されている事から考えると、身の回りの余計な静電気を防いだ方がよさそうです。

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